「免疫力」に東洋伝統の知恵をホットストーン&ハーブボール
昨今、一般的に「温活」という言葉がよく聞かれるようになりました。冬は勿論、夏でも室内の冷房や冷たい飲み物などで身体の冷えを気にする人が多いため、一年を通して温活をする人が増えています。冷えは血流や内臓機能などに影響し、体の不調や免疫力の低下などにも繋がりますので、サロンでも年間通して冷え対策できるメニューは用意したいところです。特に今年は新型コロナウイルスの影響で、免疫力を高めることの重要性を再認識した方が多かったかと思います。一般的にも免疫力向上の意識が高まっている今、サロンでできるケアをご提案することも顧客に有益なことです。東洋では医学と同様に根本改善が期待できる伝統の手法が沢山あります。そこで今回は、東洋伝統の手法を用いたサロンの温活メニュー「ホットストーン&ハーブボール」にいついてご紹介したいと思います。
【免疫力の重要性】
新型ウイルスにより世界全体が混乱に陥り、あらゆるコミュニティや経済がストップしました。収束もなかなか進まない中で、長期間の自粛生活はストレスにもなります。自己の免疫力を高めて予防に努めながら上手く付き合っていくという視点に徐々に変わった方も多いかと思います。免疫システムを理解していれば、自分で生活習慣を気を付けることで、ウイルス感染や様々な病気のリスクを最小限にすることができます。免疫とは、細菌やウイルスなどの異物が体内に入ってきた時に、それを攻撃する自己防御システムのことです。血中の白血球の働きによって発揮されます。ここで免疫力アップが期待できる生活のコツをいくつかご紹介します
●腸内環境を整える
身体の中の免疫細胞の約7割が腸に存在しています。
栄養バランスのとれた食事で腸内環境を整えましょう
●身体の中から温める
体温が1度上がると免疫力は約30%アップすると言われています。
毎日湯船に浸かったり、外側からだけでなく内側から冷えにくい身体にしましょう
●ストレス発散
ストレスを溜めこむと白血球の細胞の働きが低下します。
適度な運動やリラックス法でストレス発散しましょう
●朝日を浴びる
朝日を浴びると日中にセロトニン、夜間にはメラトニンというホルモンが分泌されます。
良質な睡眠は免疫力をアップにも繋がります
【ホットストーンの効果】
2つとも世界中のスパなどで人気を集めるあるオリエンタルメニューです。ホットストーンは約50~60度に温めた石を使って、身体を温めながらオイルを使って筋肉のコリなどを緩めていくトリートメントです。日本でも昔、熱した石を布に包んで懐に入れて温めていたという説があります。世界各地でもこのように石を使って施術を施す方法は昔から行われていました。ホットストーンで使用される石は、火成岩の玄武岩などが主流ですが、密度が高く熱の持続がしやすいのが特徴です。さらに、遠赤外線効果で体の芯から温め、ヒートショックプロテインという細胞の修復効果のあるタンパク質が分泌されることによる疲労回復、グラウンディング効果など、様々な効果が期待できます。また、滑らかで温かい石の感触はとても心地よく、ハンドとはまた違う良さがあります。
【ハーブボールの効果】
ハーブボールはハーブを布に包んで温めた状態で、身体に当てていくという施術法です。
セミナーではタイハーブのハーブボールを使用しますが、ハーブの種類により香りや効果も違うので、用途に合わせて選んだり、総合的に配合されたものを使って色々な効果を網羅したりと、使い方も様々です。ここで代表的なハーブで期待される効果を少しご紹介します。
●プライ(タイショウガ)
血行促進、消化促進、発汗、抗炎症、殺菌
●レモングラス
血行促進、消化促進、リフレッシュ、貧血予防、利尿作用、脂肪分解、抗菌、殺菌
●ウコン
肝機能改善、胆のう機能改善、解毒、抗炎症、皮膚の修復・関節炎の緩和
ハーブボールは、香りを鼻から吸って脳へと伝わる効果、経皮吸収によって血液循環による効果が期待できます。また、温かく程よい弾力のハーブボールを体に当てていくと、とても心地よくリラックスできます。
この感触と効果の違う2つを組み合わせることで、トリートメントの中でメリハリができ、また温熱効果が持続しやすいという利点もあります。
この記事のライター・専門家
増田 由起子
日本Inner BEAUTY Creation協会 代表理事
タイ政府公認講師
◇日本Inner BEAUTY Creation協会
公式サイト
[経歴]
数々の有名サロン、海外サロンでの経験を経て、2008年独立し自身のサロンHARISを開業。その後、タイで東洋の伝統技術を習得し、2015年タイ政府認定講師の資格を取得。多くのサロンマネージメント、エステティシャンの育成に携わりながら、2017年より東洋の技術をエステティックに取り入れた、美内臓/美子宮セラピー®を構築。2021年日本IBC協会を設立。2022年株式会社HARISを創立。「内側からの美容」をコンセプトに、様々なメソッドを考案し、全国各地で講師活動を行っている